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退職願(届)をめぐる労務問題Q&A 第8回(最終回)

退職願を出した社員が「やっぱり辞めたくない」といってきたが…

[ 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士)]

退職願を出した社員が、あとになって「やっぱり辞めたくないので撤回させてほしい」などといってくることがあります。そんなときは、どう対応すればいいのでしょうか。退職願(届)の受理・撤回等に関するトラブルを防ぐためのポイントを解説します。

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Q退職承諾書を渡した後で、社員が退職願の撤回を申し出てきました。
どう対応すればよいでしょうか。

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退職承諾書を渡した後であれば、撤回に応じる必要はありません。
その社員を本音では引き留めたいか否かで対応も違ってきます。

 合意退職を前提とした「退職願」ではなく、労働者が使用者の同意を得なくても辞めるとの強い意志を有している場合の「退職届」の場合には、「撤回」という概念はありません。

 そのためこの場合には、会社は撤回を考慮する必要は基本的にありません。

 退職願によって合意退職の申し出があった場合、会社はその承諾を検討します。従業員の希望する退職日でよいのか、就業規則等の規定に沿って退職日を決定するのかといったことです。

 その決定後に、退職についての承諾書を発行し、渡した後は、原則として撤回に応じる必要はありません。

 退職願が提出されたばかりの時期なら、従業員を引き留めたい場合、会社は撤回の可能性を模索するかもしれません。一方で代替要員を確保しようと決めた場合には、すばやく退職の申込みを認めたことを意思決定して退職を確定させなければ、余剰人員を抱える可能性も出てきます。

 労働者についても、会社が補充のために採用作業を開始しているのを知りつつ、後になって退職の申込みを撤回しようとすることは、それが信義に反するものとして法的に無効とされるケースがあります。

 このようにみれば、撤回に対する対応としては、「会社が退職を承諾するのか、本音としては撤回させたいのか?」という部分で変わってくるといえます。

 具体的には、承諾するなら退職に関する承諾書をすみやかに発行し、撤回させたい場合には承諾書は急いで発行せず、話し合いを重ねることによって撤回を模索することになります。

※本記事は、月刊「企業実務」(2014年2月号)に掲載した「退職願(届)の受理・撤回等に関する労務問題Q&A」を企業実務オンライン用に再構成したものです。

▼連載「退職願(届)をめぐる労務問題Q&A」
著者 : 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士) 社会保険労務士AF事務所代表。1976年生まれ、大阪府出身。大阪大学法学部を卒業後、大手生命保険会社に入社。同社を退職後、大手エネルギー会社に水道メーターの検針員として入社。間もなく現場の労務管理職となる。同社が水道部門から撤退するのを機に退職し、社会保険労務士となる。
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