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ボーナスの支給直後に退職の申し出!

年末退職する社員が繁忙期に年休申請を…。拒否することはできるか?

[ 田中 謙二<たなか・けんじ>(特定社会保険労務士)]

年末は退職の発生しやすい時期です。月刊「企業実務」2016年11月号では、退職にまつわる事務手続きをおさらいしつつ、年末退職に起こりがちな問題を中心にQ&A形式で解説しています。

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Q冬の賞与を支給した直後に、社員から退職の申し出がありました。しかも年休を消化したいと…。拒否することはできるでしょうか?

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年休取得の申し出を拒否することはできません。未消化となる年休を一定額で買い上げることを提示するなどして、年休取得を撤回するように説得しましょう。

「賞与支給日であった12月10日の翌日、ある従業員から年内で退職したいと相談がありました。しかも、年休を消化してから退職したいとのことで、実質出社可能日は数日ほどしか残っていません。繁忙期でもあり、引き継ぎもままならない状況ではとても年休消化など許可できません」――。

 毎年、12月になるとこのような相談が多く寄せられます。
 年休権は、労基法で手厚く保護されている労働者の権利です。支給要件を満たせば、法律上当然に年休権が発生します。納得できないでしょうが、年休取得の申し出があれば会社は拒否することはできません

 使用者が打つ手としては、取得する時期をずらしてもらうお願いができる程度ですが、退職日が迫っているため、それも現実的ではありません。
 従業員とよく話し合って、年休取得を撤回してもらうように説得するしかありません。

 たとえば、退職によって未消化となってしまう年休を一定額で買い上げるなどの提示をすることも検討してください。この場合の年休買上げは、行政通達等で許容されています。

■年休買上げができるケース(労働基準法39条について)
  • 「法定日数を超えて与えられている有給休暇日数部分については、買上げをしても本条違反とはならない」(S23・3・31基発513号)
  • 「時効や労働者の退職によって権利が消滅するような場合に、残日数に応じて調整的に金銭の給付をすることは、事前の買上げと異なるものであって、必ずしも本条に違反するものではないが、年休取得を抑制する効果をもつようになることは好ましくない」(労働省労働基準局編著『労働基準法』上巻)

 このほか、月刊「企業実務」2016年11月号では、以下の事項について、Q&A形式で解説しています。

Q 退職時にまつわる基本的な事務手続きについて教えてほしい。
Q 年末など繁忙期での人員調整をしやすくするために、退職届の提出を30日前までに義務づけた就業規則は有効か。
Q 年末の繁忙期に身勝手な退職を申し出た者に、賞与を不支給にするとは可能か。
Q 賞与を支給する月に退職する従業員の社会保険料控除で注意することはあるか。
Q 退職日を年末の1日前(12月30日)にしたいが、問題はないか。

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著者 : 田中 謙二<たなか・けんじ>(特定社会保険労務士) エムエイリンク社労士事務所代表。1963年生まれ。株式会社リクルート フロム エーで人材採用に携わる。派遣会社等を経て社労士事務所を開設。人事、労務関係の業務支援を手がける。
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