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まずは知識の確認から

「母性保護」「母性健康管理」に関する法律・実務知識Q&A

[ 2014年6月号 佐佐木由美子(社会保険労務士)]

企業にとって、女性労働者の母性を保護し、働きながら子育てできる環境を整備することは重要な課題です。ここでは、担当者として知っておきたい法律知識と実務のポイントを紹介します。

育児休業を認めるべき範囲とは

育児休業は、子どもが何歳まで取得可能か?

 育児休業を希望する男女労働者(日雇労働者を除きます)は、事業主に申し出ることにより、子の 1 歳の誕生日の前日まで、原則 1 回に限り育児休業を取得することができます。

 父母ともに育児休業を取得する場合は、子が 1 歳 2 か月に達するまで、育児休業期間を延長できます。これを、「パパ・ママ育休プラス制度」といいます。

 ただし、育児休業を取得できる期間は1年間で、女性の場合は出産日以後の産前・産後休業と育児休業を合計して1年間が限度となります。

 パパ・ママ育休プラスの対象となるには、配偶者が子の1歳到達日以前のいずれかの日において、育児休業を取得していること等一定の要件が必要です。

 さらに、次のいずれかの事情がある場合、子が 1 歳 6 か月になるまで、育児休業を延長することができます。

  • 保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
  • 労働者の配偶者であって、1歳以降育児にあたる予定であった者が、死亡、負傷、疾病等の事情により、子を養育することが困難になった場合

契約社員や派遣社員は育児休業を取得する対象者から除いても問題ないか?


 期間の定めのある労働者を一律、適用除外とすることは認められていません。

 育児休業の申出の時点で、次のすべてを満たす場合は、期間雇用者も育児休業を取得することができます。

  • 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
  • 子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること
  • 子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約期間が満了し、かつ契約が更新されないことが明らかでないこと

 これらは、勤務の実態に即して判断します。

 たとえば、年末年始や週休日を除いて労働契約が結ばれている場合や、前の契約終了時にすでに次の契約が結ばれている場合は、雇用関係は実質的に継続していると判断されます。

 正社員以外は育児休業が取得できないと誤解されているケースもあるので、十分な告知が必要です。

母性健康管理上の措置について、どのように進めていけばよいか?

 母性健康管理を推進するには、あらかじめ就業規則を整備し、どのような制度を労働者が利用できるのか、社内で周知しておくことが肝要です。

 そのためにも、法律で事業主に課されている母性健康管理上の措置について十分に理解したうえで、規定に盛り込むとよいでしょう。就業規則の規定例を参照してください(図表3)。

 その他、事業所の規模に応じて、相談窓口を設けたり、産業医との連携を密にしていくことも有効です。

図表3 母性健康管理に係る就業規則の規定例

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著者 : 佐佐木由美子(社会保険労務士) 米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。平成13年に社会保険労務士国家試験に合格後、平成17年3月に佐佐木社会保険労務士事務所を開業する。平成24年10月、「グレース・パートナーズ社労士事務所」に改称。 中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートし、親身なコンサルティングで多くのクライアントから支持を得ている。 一方で女性の雇用問題に力を注ぎ、出産後も女性が働き続けられる雇用環境をサポート。給付金の手続きを簡単に行うためのIKU cute(育児休業手続キット)を開発し、さらに活動の幅を広げている。 著書に「知らないともらえないお金の話  ~病気、ケガ、育児…人生の転機でもらえる給付金活用術」(実業之日本社)、「採用と雇用するときの労務管理と社会保険手続きがまるごとわかる本」(ソーテック社)、共著に「35歳までにはぜったい知っておきたいお金のきほん」(アスペクト)、その他新聞・雑誌に取材記事等多数あり。 2014年、新たに、働く女性の職場環境改善のための情報共有サロン「Salon de Grace」及び、Facebookページ「グレース・プロジェクト」を主宰。
http://www.sasaki-sr.net/
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