企業実務オンライン > 人事・労務 > 労務管理・トラブル > パート・アルバイトを正社員にする際の手続きと留意点(上)

人材不足への即効薬!

パート・アルバイトを正社員にする際の手続きと留意点(上)

[ 山本喜一(やまもときいち)(社会保険労務士)]

ユニクロやイケア等、大手流通企業がパート・アルバイト社員の正社員化を打ち出し、話題になっています。 景気回復に伴い、非正規社員の採用も難しくなってきました。 すでに雇用している非正規社員の正社員化を検討する企業は、今後も増えていくことでしょう。

ikea_gaikan_680

正社員に移行する時に必要な手続き

 近年、有期契約社員、パートタイマー、アルバイト、派遣社員等の非正規社員の存在感が高まっています。総務省の「労働力調査」によると、平成 26 年 12 月時点で雇用者数(役員を除く雇用者)5,308 万人のうち 2,016 万人が非正規社員で、全体の 4 割弱を占めています。

 今後、労働人口が減少していくなかで、良い人材を新規に採用することはだんだん難しくなっていくでしょう。非正規社員のなかに意欲と能力がある人材がいるなら、正社員へ登用することも企業としては検討したいところです。

 そのために必要な手続きと留意点について解説します。

●パートタイマーの場合

 ここでパートタイマーとは、正社員より労働時間が短い雇用契約の者として、話を進めます。
 パートタイマーから正社員になることにより、労働契約の内容が変更となるので、労働契約書を新しい労働条件で再度作成することになります。

 また、労働時間が現在の契約よりも長くなるので、当該パートタイマーだった者について、雇用保険、社会保険に未加入だった場合は、加入手続きが必要です。
 健康診断の対象者になることにも留意する必要があります。

●契約社員の場合

 ここでは契約社員を有期雇用契約の者として、話を進めます。
 契約社員から正社員になることにより、労働契約の内容が変更となるので、労働契約書を新しい労働条件で再度作成することになります。

 契約社員でも労働時間によって雇用保険、社会保険に加入している場合と加入していない場合があること、また2か月以内の契約期間で社会保険の対象となっていないこともあります。
 契約社員の時に雇用保険、社会保険について未加入だった場合は、改めて加入手続きが必要となります。

●派遣社員の場合

 派遣社員の場合は、働く場所が同じということも多いと思いますが、雇用主となる会社が変わりますので、新たに雇用する会社で雇用保険、社会保険に加入する手続きが必要となります。

 派遣先と派遣社員との直接の労働契約は、派遣期間終了後であれば自由ですが、派遣社員を派遣期間中に正規雇用したいという場合、派遣元の会社との契約により、派遣会社に紹介料が発生することがあります。
 よって、前もって派遣会社との契約内容等を確認することが必要です。

▼関連ページ
非正規社員を正社員に引き上げる際の手続きと注意点
著者 : 山本喜一(やまもときいち)(社会保険労務士) 財団法人日本品質保証機構を退職後、社会保険労務士法人日本人事を設立。労務に関するトラブルへの対応及び各種コンサルティングを主に行う。労働組合役員も経験し、現場感覚を活かした解決策に定評がある。そして、日本一工場を愛する社会保険労務士である。
http://sr-jhr.com/kiichiyamamoto.html
月刊企業実務購読のご案内

最大19%OFF!! Fujisan.co.jpでお得にお求めいただけます!

購読のご案内

月刊『企業実務』ご購読はこちら

関連記事


企業の総務・人事・経理部門を全力サポート!
↓↓↓
【企業実務サポートクラブ】

≫ 企業実務サポートクラブ


新着記事
アクセスランキング
女性活躍推進特集
当社は、
Women Will の取り組みを応援しています。