5月から携帯端末の SIM(シム=Subscriber Identity Module)ロック解除が義務づけられます。
これはいったいなんのことでしょうか。それを知る前に、まずは SIM カードについて理解しておく必要があります。
SIM カードは、ふだん使っている携帯端末の電話番号を特定するための固有のID情報が記録されたICカードのことです。ID と電話番号を結びつけることにより、契約者を特定し、間違いなく通信ができる仕組みになっています。
SIM カードを抜き差しすれば、ほかの携帯端末に自分の電話番号を移したり、1台の携帯端末で複数の電話番号を切り替えて使用することも、原則として可能です。
しかし、そうなると、携帯電話の通信サービスを提供している会社(キャリア)の乗り替えも簡単になるため、特定の SIM カードしか動作しないように制限する設定が SIM ロックです。
総務省は昨年12月に、ことし5月以降に販売される新機種から、SIM ロック解除を各キャリアに義務づけることを正式に決定しました。各キャリアは、ユーザーが求めた場合、原則として無料でロックを外さなくてはなりません。
これにより、たとえば「ソフトバンクで契約したスマホをそのままドコモで使いたい」という場合、これまではキャリアとの契約だけでなく、端末も新たに購入しなくてはなりませんでしたが、5月以降、その必要はなくなります。
SIM ロック解除により、格安キャリアへの乗り換えが容易になると、競争が加速し、通信料金の低価格化なども実現するのではないかと期待されています。反面、端末代金の値上がりや、他キャリアの端末については動作保証がされないのではないか、といったデメリットも指摘されています。