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令和4年12月27日までの公布分

就労支援を強化する障害者総合支援法等の改正

[ 2023年2月号 月刊「企業実務」編集部 ]

令和4・12・16法律第104号=障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律

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 障害者等の地域生活や就労の支援の強化等により、障害者等の希望する生活を実現するため、障害者総合支援法、障害者雇用促進法、児童福祉法等が改正されました。

 具体的には次のような措置が講じられます。

・障害者等の地域生活の支援体制の充実(1人暮らしを希望する人の移行支援を、グループホームの支援内容として明確化など)

・障害者の多様な就労ニーズに対する支援および障害者雇用の質の向上の推進(「就労選択支援」の創設など)

・精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備(医療保護入院について市町村長同意の範囲拡大など)

・難病患者および小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実および療養生活支援の強化(医療費助成の開始時期の前倒しなど)

・障害福祉サービス等、指定難病および小児慢性特定疾病についてのデータベースに関する規定の整備等(第三者提供のしくみ等の規定整備)

障害者雇用の促進

 このなかで、企業経営とかかわりのある「障害者の多様な就労ニーズに対する支援および障害者雇用の質の向上の推進」については、次のような措置がとられます。

(1) 「就労選択支援」の創設
 就労アセスメント(支援施設の職員等が就労意欲のある障害者と面談し、強みや希望を聞き取り、福祉担当者等が、障害者本人も交えてどのような支援や配慮が必要か協議し情報を共有する)を活用した「就労選択支援」を創設します。

 また、ハローワークはこの支援を受けた者に対して、その結果を参考に職業指導等を実施します。

(2) 「就労選択支援」の創設
 これまで雇用義務の対象外だった週所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者に対し、就労機会の拡大のため、実雇用率において算定できるようにします。

(3) 助成措置の見直し
 障害者の雇用者数で評価する障害者雇用調整金等における支給方法を見直し、企業が実施する職場定着等の取組みに対する助成措置を強化します。

 改正法の施行日は、一部を除いて令和6年4月1日です。なお、就労選択支援の創設に関する規定は、公布後3年以内の政令で定める日とされています。

感染症対策の整備

 感染症の流行時に地域の中核となる医療機関に対する病床提供等の義務づけなど、感染症法が改正されています。
(令和4・12・9法律第96号=感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律)

道路占用料の見直し

 令和3年度の固定資産税評価額の評価替え等をふまえ、道路管理者が徴収できる指定区間内の国道に係る占用料の額が改定されました。
(令和4・12・14政令第378号=道路法施行令の一部を改正する政令)

港湾整備の推進

 港湾における脱炭素化の推進やパンデミック・災害の際の港湾機能の確実な維持を図るための措置を講じる港湾法の改正に伴い、関係政令が整備されています。
(令和4・12・14政令第381号=港湾法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令)

商標法の国際対応

 商標施行規則の商品・役務の区分について、国際分類に即したものに再編するとともに、商取引の実情の変化を踏まえた見直しが行なわれています。
(令和4・12・15経済産業省令第100号=商標法施行規則の一部を改正する省令)

「無戸籍者」解消への取組み

 妊娠や出産の時期によって法律上の父親を決める「嫡出推定」制度が見直されました。離婚から300日以内の出産でも、女性が再婚していれば現夫の子とみなされます。
(令和4・12・16法律第102号=民法等の一部を改正する法律)

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