労働政策審議会労働政策基本部会が「〜変化する時代の多様な働き方に向けて〜」と題した報告書をまとめました。
この報告書では、今後の労働政策について、次のような課題と方向性が示されています。
労働政策において今後検討すべき対応
・多様な人材が能力を発揮できるよう、女性や高齢者などの働き方に中立的な税制・社会保障制度を構築する
・雇用によらない働き方など様々な働き方の人を、どのように重層的なセーフティネットに組み入れていくか
・自発的に労働移動を行なう労働者の転職の参考となるよう、
(1) 労働市場の見える化(職場情報・職業情報)
(2) 異業種間でも業務の親和性がある仕事の事例収集および事例紹介等の積極的な周知広報
(3) ハローワークサービスのデジタル化による、オンラインサービスやキャリアコンサルティング機能の充実
などの転職しやすい環境の整備(労働市場の基盤整備)を進める
・いまは労働政策の大きな転換期にあり、従来の「安全・安心」を重視する対応に加え、「労働市場のセーフティネットを整備しつつ、労働者のスキルアップ・向上を目指す」ことを重視する
社会全体に求められる対応(1人ひとりが自律的にキャリアについて考える)
・1人ひとりの労働者が自律的にキャリアについて考える方策を、社会全体で危機感を持って検討する
・リスキリングについて、労働者1人ひとりが力強く成長できるよう、個人への直接支援とともに社会全体で進めていく視点を持つ
本報告書は、以上の内容をふまえて、労働政策審議会の関係分科会や部会等においても、速やかに必要な施策が検討されることを求めたい、と結んでいます。
今後、こうした視点からの労働法制や税制等の見直しの動きが予想されます。