漢数字を書くときは「ハネ、トメ、ハライ」を丁寧に
最近は、読みやすさの点から縦書きに算用数字を使うことが増えていますが、祝儀・不祝儀の中袋の金額欄や、商業登記や戸籍など法的な文書では、漢数字や大字を使うことが基本です。
大字とは、単純な字形の漢数字の代わりに用いる漢字で、法令で使用を定めているのは「壱、弐、参、拾」です。ほかに、「萬」や「圓」などの旧字体を慣習的に使う場合もあります。いずれも、金額や日時などの改ざんや、読み間違えを防ぐことが目的です。
●主な大字の筆順(※漢字をクリックすると書き順がみられます)
漢数字をきれいに書くコツは、書き順を守り、ハネ、トメ、ハライといった基本点画を丁寧に行うことです。そして、1本1本の線の流れを意識し、算用数字のときと同様、文字の大きさや傾き(やや右上がり)、文字の間隔、左右の位置を揃えます。
たとえば、「三」や「五」は3本の横線の間隔を同じ幅にするのがコツ。「伍」や「拾」は偏(へん)と旁(つくり)の間隔を少し空け、左右のバランスを意識すると、きれいな字になります。
●ポイントは余白や罫線の幅を意識すること
漢字が難しいのは、1つひとつの字だけでなく、並べたときのバランスを考えなくてはならないところでしょう。特に、丸かったり角張っているなど字にクセがある人は、字画を省略したりして雑に書くと、バランスを欠いた字になりがちです。
書くスピードが多少遅くなったとしても、読みやすく正しい字を書くことを心がけてください。
(月刊「企業実務」2015年5月号より)