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事務ごよみ【人事・労務】

「新入社員の受け入れ準備、賃上げの検討、人事異動に伴う事務手続き」など―3月の事務ごよみ

[ 2016年3月号 月刊「企業実務」編集部 ]

3月から4月は人事異動の多い季節です。事務の引継ぎ事項をまとめ、異動者がスムーズに新しい仕事に取り組めるよう配慮しましょう。4月に新入社員を迎える企業では、入社時に必要な書類の準備や支給・貸与する備品の用意などが必要です。

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新入社員の受入れ準備

 4月に新入社員を迎える企業では、次のような社内・法定事務が必要です。

①入社時に必要な書類の準備
 ……通勤経路・費用申請書、扶養控除等(異動)申告書、個人番号申告書など
②入社後に支給・貸与する書類・備品の用意
 ……身分証明書、就業規則・諸規程集、社章、机・事務用品、制服・作業服、名刺など
③出勤簿(タイムカード)の調製
④新入社員の氏名や略歴などを紹介した文書の配属先への配付

 このほか、入社式や新入社員研修を実施する企業では、会場の場所や時間など、段取りの最終確認をします。
 新入社員のなかに社員寮や社宅への入居希望者がいるなら、3月中に入居できるよう手続きを進めます。

 月刊「企業実務」3月号の別冊付録では、新卒新入社員の受入れ準備を詳しく解説しています。

賃上げの検討

 4月に定期昇給やベースアップを予定している企業では、賃上げに関する資料や情報を収集し、それらをもとに社員各人の人事評価も含めて具体的な数字の検討に入りましょう。

 ちなみに、厚生労働省がまとめた2015年の「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、中小企業(従業員数100~299名)の1人平均賃金の改定額は3,947円、改定率は1.6%という結果でした。業績向上などを理由に、8割以上の中小企業が引上げを実施したようです。

▼関連記事
中小企業のベ・アをどうするか&今春の賃上げ相場(「企業実務」2016年3月号)

社員の異動に伴う事務手続き

 3月から4月は、人事異動の多い季節です。事務の引継ぎ事項をまとめ、異動者がスムーズに新しい仕事に取り組めるよう配慮しましょう。

 同一職場内の異動の場合は、特に法定の手続きは必要ありませんが、住所地が変わる転勤が生じた場合は、様々な法定の手続きが発生します。

 たとえば、社会保険の資格喪失と取得の手続き(本社等で健康保険と厚生年金保険の事務を一括して行なっている場合は不要)、雇用保険の「転勤届」の提出、「扶養控除等(異動)申告書」の提出先の変更、「給与支払報告書・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の旧住所地への通知などです。

 社内事務としては、通勤手当や住宅手当の精算、貸与物品の返還、赴任先への勤務状況の連絡などがあります。また、社員の家族に異動(子女の入学、卒業など)があれば、法定事務のほか、家族手当の変更、祝金の支給等も発生します。

社員の退職に伴う事務手続き

 退職者が出た場合は、必要に応じて「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」「雇用保険被保険者資格喪失届」「給与所得の源泉徴収票」「給与支払報告書・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」「離職証明書」などを作成(交付・提出)することになります。

 また、退職金を支払う際には「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受け、「退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)」を作成します。

 退職者本人からは、身分証明書や社章など身分を示すもの、健康保険被保険者証カードのほか、制服や個人管理している文書などの返却を受けます。社内に私物があれば、その処分(持ち帰り・廃棄)を促します。あわせて後任者への業務の引継ぎも指示しましょう。

有害物ばく露作業報告の提出

 人に健康障害を起こすおそれがある「報告対象物質」を、一定量以上製造したり取り扱ったりしている事業場では、その状況等を調査し、年1回労働基準監督署に報告する義務が課せられています。

 2015年の作業状況等については3月31日が報告期限です。

女性活躍推進に向けた行動計画の策定・通知・公表

 4月1日から、「女性活躍推進法」が施行され、301名以上の労働者を雇用する事業主は、女性の活躍推進に向けた行動計画を策定し、事業所を管轄する都道府県労働局へ届出をする必要があります。また、社内への通知や外部への公表も義務付けられています。

 行動計画の策定に当たっては、女性活躍に関する状況を把握し、課題について分析する必要があります。

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