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事務ごよみ【人事・労務】

3月の事務ごよみ

[ 2021年3月号 月刊「企業実務」編集部 ]

4月に新入社員を迎える企業では、次のような事務が必要です。

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新入社員の受入準備

 4月に新入社員を迎える企業では、次のような事務が必要です。

①入社時に必要な書類の準備……通勤経路・費用申請書、扶養控除等(異動)申告書、個人番号申告書など

②入社後に支給・貸与する書類・備品の用意……身分証明書、就業規則・諸規程集、社章、机・事務用品、制服・作業服、名刺など

③出勤簿(タイムカード)の調製

④新入社員の氏名や略歴などを紹介した文書の配属先への配付

 入社式や新入社員研修などは、感染症予防の観点から、オンラインでの実施も検討しておきましょう。

 新入社員のなかに社員寮や社宅への入居希望者がいる場合は、3月中に入居できるよう手続きを進めます。

賃上げの検討

 4月に定期昇給やベースアップを予定している企業では、賃上げに関する資料や情報を収集し、それらをもとに社員各人の人事評価も含めて具体的な数字の検討に入りましょう。

 厚生労働省がまとめた「賃金引上げ等の実態に関する調査」によると、昨年の中小企業(従業員数100~299名)の1人平均賃金の改定額は4315円、改定率は1・6%という結果でした。賃金の改定決定に当たって重視した要素は、「企業の業績」が48・5%と最も多いようです。

 76ページでは、2021年の中小企業の賃上げ相場を予測しています。

社員の異動に伴う事務手続き

 3月から4月は、人事異動の多い季節です。事務の引継ぎ事項をまとめ、異動者がスムーズに新しい仕事に取り組めるよう配慮しましょう。

 同一職場内の異動の場合は、特に法定の手続きは必要ありませんが、住所地が変わる転勤が生じた場合は、様々な手続きが発生します。

 たとえば、社会保険の資格喪失と取得の手続き(本社で健康保険と厚生年金保険の事務を一括して行なっている場合は不要)、雇用保険の「転勤届」の提出、「扶養控除等(異動)申告書」の提出先の変更、「給与支払報告書・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」の旧住所地への通知などです。

 このほか社内事務としては、通勤手当や住宅手当の精算、貸与物品の返還、赴任先への勤務状況の連絡などがあります。

 また、社員の家族に異動(子女の入学、卒業など)があれば、法定事務のほか、家族手当の変更、祝金の支給等も発生します。

社員の退職に伴う事務手続き

 退職者が出た場合には、必要に応じて「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」「雇用保険被保険者資格喪失届」「給与所得の源泉徴収票」「給与支払報告書・特別徴収に係る給与所得者異動届出書」「離職証明書」などを作成(交付・提出)します。

 また、退職金を支払う際には「退職所得の受給に関する申告書」の提出を受け、「退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)」を作成します。

 退職者本人からは身分証明書や社章など身分を示すもの、健康保険被保険者証カードのほか、制服や個人管理している文書などの返却を受けます。

 社内に私物が残っている場合は、持ち帰りや処分を促します。あわせて後任者への業務の引継ぎも指示しておきましょう。

有害物ばく露作業報告の提出

 人に健康障害を起こすおそれがある「報告対象物質」を、一定量以上製造したり取り扱ったりしている事業場では、その状況等を調査し、年1回、労働基準監督署に報告する義務が課せられています。

 2020年の作業状況等については3月31日が報告期限です。

同一労働同一賃金への対応

 4月1日から、パートタイム労働者、有期雇用労働者を対象とした「同一労働同一賃金」が中小企業にも適用されます。

 雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保するため、「同一労働同一賃金ガイドライン」等を参考にしながら、現状を把握し、必要に応じて就業規則を改定することが求められます。

高年齢者雇用への対応

 ことし4月より、改正高年齢者雇用安定法が施行になります。これまで、原則65歳までの雇用確保を企業に義務づけていましたが、法改正により、70歳までの就業確保が努力義務となります。これを契機に、高齢者雇用への対応を見直しておきましょう。

 18ページの特別記事では、法改正のポイントと対策を解説しています。

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