社員にとって賃金制度の変更は、最大の関心事でもあり、まさに一大事となります。昨今の年俸制導入の傾向を見ていると、経営者の考える年俸制と、社員が考える年俸制には、大きな認識のズレがあるように思えてなりません。
法的な解釈や様々に発行された通達を考慮すると、年俸制を導入するメリットは、実は皆無であると言わざるを得ません。日本では、年俸制が労使双方にとって有意義な制度であるとはとても言えないのです。
年俸制を正しく理解していますか?
年俸制についての認識で間違いやすいのが以下の6項目です。
- 「年俸制では時間外手当を考慮しなくても良い」
- 「年俸制では賞与月に決まった額の賞与を支給する」
- 「標準報酬月額は年額を16で割った額になる」
- 「時間外手当の計算根拠も年額を16で割った額となる」
- 「年俸制なら賃金の減額がしやすい」
- 「年俸制の者を解雇する場合でも16で割った額をもとに平均賃金の30日分の解雇予告手当を用意する」
次のページで、順を追って説明します。