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新法令・通達解説―平成28年3月4日までの発表・公布分

キャリアアップ助成金の見直しと新たな採用定着奨励金の創設

[ 2016年4月号 月刊「企業実務」編集部 ]

雇用保険二事業の助成金の1つである「キャリアアップ助成金」が見直され、新たに「三年以内既卒者等採用定着奨励金」が創設されました。(平成28年2月10日公布・施行 厚生労働省令第17号=雇用保険法施行規則の一部を改正する省令)

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 雇用保険二事業の助成金の1つである「キャリアアップ助成金」が見直され、新たに「三年以内既卒者等採用定着奨励金」が創設されました。
 概要は次のとおりです(例はいずれも中小企業の場合)。

キャリアアップ助成金

(1)正規雇用等転換コース

有期契約労働者等を正規雇用に転換または派遣労働者を直接雇用した場合の支給額が拡充されました。

例:有期→正規(1人あたり50万円→60万円に拡充)派遣加算(対象者が派遣労働者の場合)と、母子母等加算(母〔父〕子家庭の母〔父〕または若者認定事業主が転換等を行なう35歳未満の者の場合)については変更ありません。

(2)多様な正社員コース

① 有期または無期の契約労働者を多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員)に転換または派遣労働者を直接雇用した場合の支給額が見直されました。

② 多様な正社員から正規雇用に転換した場合の助成措置が創設されました。

③ 勤務地限定正社員制度または職務限定正社員制度を新規導入・適用した場合の助成措置が加算措置(1事業所あたり10万円)に変更されました。

④母子母等加算が見直されました(派遣加算は変更なし)。

(3)人材育成コース

「有期実習型訓練を修了した対象労働者全員を正規雇用、無期契約もしくは多様な正社員に転換した場合」または「派遣労働者である訓練対象者全員を正規雇用、無期契約もしくは多様な正社員として直接雇用した場合」のOFF-JTにかかる経費助成の上限額が引き上げられました(いずれも実費を限度)。
例:100時間未満の場合の上限額10万円→15万円に引上げ

三年以内既卒者等採用定着奨励金

 既卒者等が応募可能な新卒求人の申込み・募集を平成31年3月31日までに新たに行ない(学校等の卒業または中退後、少なくとも3年間は応募可能である場合に限る)、その既卒者等を同年4月30日までの間に新卒扱いで採用し、その後、一定期間定着させた事業主に対し、採用2人目までを対象に、3年間は年10万〜60万円の奨励金が助成されることになりました。

 若者認定事業主については、採用1人目の1年目のみ、さらに10万円が加算されます。

 なお、この省令の施行日前に従前の雇用保険法施行規則に基づく措置を講じた事業主については、必要な経過措置が別途定められています。

その他の新法令・通達

健保法施行規則等の一部改正

 傷病手当金の額の算定方法の見直しなど健保法施行規則等の一部改正、一般所得者の食事療養標準負担額などの見直しに係る告示の改正がありました。
(平成28・2・4厚生労働省令第13号=健康保険法施行規則等の一部を改正する省令ほか)

行政不服審査法の改正に伴う各種通達の改正

 行政処分に対する「異議申立・審査請求」に関連する基本通達の一部改正について、法令解釈通達が公表されました。
(平成28・2・5国税庁査察1-2ほか=「不服審査基本通達(異議申立関係)の制定について」の一部改正について)

雇用継続給付の支給申請手続きに関する規則等の一部改正

 雇用継続給付の支給申請手続きを改め、被保険者の個人番号(マイナンバー)変更の届出の規定が新たに設けられました。
(平成28・2・16厚生労働省第20号=雇用保険法施行規則及び社会保険労務士法施行規則の一部を改正する省令)

会社役員賠償責任保険の保険料に関する税務上の取扱い

 国税庁ホームページで「新たな会社役員賠償責任保険の保険料の税務上の取扱いについて(情報)」が公表されました。
(平成28・2・24=国税庁個人課税課情報第2号ほか)

関税法基本通達等の一部改正

 行政不服審査法(平成26年法律第68号)の4月1日からの施行に伴い、関税法基本通達等の一部が改正されました。
(平成28・2・29財関第270号=関税法基本通達等の一部改正について)

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