年俸制に経営的メリットはない!
さて、こうして検証していくと、年俸制の経営的メリットはひとつもないような気がします。社長さんの中には「年俸制のほうが格好良い」という方もいましたが、格好良さやトレンドなどに目を奪われてはいけません。
最近では年俸制の不備を突く労働組合も非常に増加しており、むやみに年俸制を導入すれば、争いの種を増やしかねません。
賞与とは「誉めて与える」もの
賞与とは業績によって変動するものです。
以前は「年間何か月」といった支給を約束してしまった会社もあったようです。これからは、賞与を生活給から脱却させなければなりません。
もちろん給与を減額しろとは言いませんが、社員一人ひとりの努力を成績として判定し、功績の顕著な者には多めに賞与を支給してこれを称え、努力の足りないと思われる者には少なめに支給し奮起を喚起するという、本来の目的を見失ってはいけません。
賞与本来の「誉めて与える」という姿勢に立ち返るべきです。
年俸制では社員の努力に報えない
月給+賞与制度であれば、給与改定を含めれば通常年に3回の評価が可能となり、きめ細かに社員の努力を給与に反映することができます。しかし、年俸制では、年俸額は年に一度しか見直すことができません。これは年俸制の一番の特徴です。
わざわざ社員を指導する機会を損失する年俸制は絶対に導入してはいけません。
- ▼連載「やってはいけない会社の人事」