企業実務オンライン > 人事・労務 > 賃金・人事制度 > 年俸制導入は会社にも社員にもデメリット―実は無意味で非効率!

やってはいけない会社の人事 第10回(最終回)

年俸制導入は会社にも社員にもデメリット―
実は無意味で非効率!

[ 河西知一(特定社会保険労務士。社会保険労務士法人トムズ・コンサルタント代表社員)、小宮弘子(特定社会保険労務士)]

1990年頃から、日本企業でも年俸制が導入されるようになりました。厚生労働省の調査によると年俸制を導入している企業は大企業ほど多く、従業員1,000人以上企業で26.4%(平成26年調査)という結果。月給+賞与という従来のシステムと年俸制では一体何が違うのでしょう。年俸制導入にメリットはあるのでしょうか。

年俸制に経営的メリットはない!

 さて、こうして検証していくと、年俸制の経営的メリットはひとつもないような気がします。社長さんの中には「年俸制のほうが格好良い」という方もいましたが、格好良さやトレンドなどに目を奪われてはいけません。

 最近では年俸制の不備を突く労働組合も非常に増加しており、むやみに年俸制を導入すれば、争いの種を増やしかねません。

賞与とは「誉めて与える」もの

 賞与とは業績によって変動するものです。

 以前は「年間何か月」といった支給を約束してしまった会社もあったようです。これからは、賞与を生活給から脱却させなければなりません。

 もちろん給与を減額しろとは言いませんが、社員一人ひとりの努力を成績として判定し、功績の顕著な者には多めに賞与を支給してこれを称え、努力の足りないと思われる者には少なめに支給し奮起を喚起するという、本来の目的を見失ってはいけません。

 賞与本来の「誉めて与える」という姿勢に立ち返るべきです。

年俸制では社員の努力に報えない

 月給+賞与制度であれば、給与改定を含めれば通常年に3回の評価が可能となり、きめ細かに社員の努力を給与に反映することができます。しかし、年俸制では、年俸額は年に一度しか見直すことができません。これは年俸制の一番の特徴です。

 わざわざ社員を指導する機会を損失する年俸制は絶対に導入してはいけません。

▼連載「やってはいけない会社の人事」

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著者 : 河西知一(特定社会保険労務士。社会保険労務士法人トムズ・コンサルタント代表社員) 大手外資系企業などの管理職を経て、平成7年社会保険労務士として独立後、平成11年4月にトムズ・コンサルタント株式会社を設立。労務管理・賃金制度改定等のコンサルティング実績多数。その他銀行系総研のビジネスセミナーでも明快な講義で絶大な人気を誇る。著書に『モンスター社員への対応策』(泉文堂)など。
http://www.tomscons.co.jp/
著者 : 小宮弘子(特定社会保険労務士) 都市銀行にて外為業務、人事総務業務に従事し、資格取得後、トムズ・コンサルタントに入社。 「人」に関するスペシャリストとして、分野を問わずにマルチに活躍。労務相談業務を中心に人事制度改定や就業規則改定等、幅広く活躍。その他セミナー講師等としても活躍。著書に『法律家のための年金・保険』(新日本法規)
http://www.tomscons.co.jp/
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