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これからの法改正の動き

規制改革の推進で打ち出された労働法関連の見直し方針

[ 2025年9月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 内閣府の規制改革推進会議がことし5月に取りまとめた「規制改革推進に関する答申」には、「地方創生」「賃金向上、人手不足対応」「投資大国」「防災・減災」という4つの政策的な柱の下、87に上る改革事項が盛り込まれています。

 このなかで、「賃金向上、人手不足対応」に関して示された労働法関連の規制改革の方針について、いくつかみていきましょう。

 多様な働き方の推進として、次のような規制改革を進めることが挙げられています。

労働時間のカウント方法に焦点

・スタートアップの柔軟な働き方の推進(裁量労働制の対象業務の検討等)
 スタートアップで働く労働者の就労実態等を把握する調査を行なったうえで、スタートアップにおける柔軟な働き方に資する検討に着手するとしています。

 また、スタートアップで働く役職者等の管理監督者への該当性の判断の考え方のさらなる明確化の検討を開始するとしています。

・副業・兼業のさらなる円滑化に向けた環境整備
 副業・兼業を行なう労働者の、割増賃金の支払いに係る労働時間の通算管理や健康確保の在り方について検討を開始するとしています。

 労働者の健康確保のための労働時間の通算は維持しつつ、割増賃金の支払いについては通算を要しないよう制度改正に取り組むことが考えられる、とした労働基準関係法制研究会の報告書も踏まえて検討するとしています。

・時間単位の年次有給休暇制度の見直し
 年次有給休暇は「日」単位の取得が原則ですが、労使協定の締結により、年に5日を上限として時間単位の取得が可能とされています。

 労働者の選択肢を拡大し、通院、自己啓発、育児・介護等の多様なニーズに一層対応した働き方を実現するため、時間単位の年次有給休暇日数の拡大(たとえば年休付与日数の50%程度まで拡大すること)を検討し、今年度中に結論を得るとしています。

 結論を得た検討については速やかに措置を行なう方針も示されており、今後の議論が注目されます。

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