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退職願(届)をめぐる労務問題Q&A 第4回

退職するといいながら、退職届を提出しない社員への対応は?

[ 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士)]

退職願を出した社員が、あとになって「やっぱり辞めたくないので撤回させてほしい」などといってくることがあります。そんなときは、どう対応すればいいのでしょうか。退職願(届)の受理・撤回等に関するトラブルを防ぐためのポイントを解説します。

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Q口頭による意思表示はあったものの、いっこうに書面を提出しない社員がいます。
こうした場合、どうすればよいでしょうか。

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口頭による意思表示だけではトラブルも想定されます。退職届の提出を促しながら、同意を得て「退職の意思」を録音する方法もあります。

 口頭による退職の意思表示も、法的には有効です。しかし、口頭だけでは退職日・退職理由といった部分が曖昧になる点に留意する必要があります。

 口頭での意思表示も有効だからと、そのまま退職手続きに入ることもあります。しかし、退職手続きに入り、新しい従業員を採用しようとしていると、急に「退職の意思表示などしていない」と従業員が言い出す可能性は皆無ではありません。

 退職において、自己都合か会社都合かでは失業給付に大きな違いがあり、「一身上の都合」といった理由を書きたがらない従業員がいます。このような場合には、退職理由については言及せずに、退職届を会社に提出させる方法があります。

 退職理由を記載することに躊躇して退職届を提出しないのであれば、退職理由についてはあえて触れずに、ともかく「退職意思の明確化」を目指すのです。

 またICレコーダー等によって会話を記録するという方法もあります。

 ただしこの場合は、会話を記録していることは、たとえば「退職届を書面で出してもらわないと困るので」などと説明して、事前に従業員にきちんと伝えておくべきでしょう。

 そのうえで、口頭での退職の意思表示の内容を、記録される状態で再度発言してもらいます。

 ただ、退職届を提出してもらうのが望ましいことにかわりはありません。退職届の重要性などを説明し、退職届の提出を促していきましょう。

※本記事は、月刊「企業実務」(2014年2月号)に掲載した「退職願(届)の受理・撤回等に関する労務問題Q&A」を企業実務オンライン用に再構成したものです。

▼連載「退職願(届)をめぐる労務問題Q&A」
著者 : 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士) 社会保険労務士AF事務所代表。1976年生まれ、大阪府出身。大阪大学法学部を卒業後、大手生命保険会社に入社。同社を退職後、大手エネルギー会社に水道メーターの検針員として入社。間もなく現場の労務管理職となる。同社が水道部門から撤退するのを機に退職し、社会保険労務士となる。
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