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退職願(届)をめぐる労務問題Q&A 第7回

退職願を撤回させたい!交渉時に注意するポイントは?

[ 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士)]

退職願を出した社員が、あとになって「やっぱり辞めたくないので撤回させてほしい」などといってくることがあります。そんなときは、どう対応すればいいのでしょうか。退職願(届)の受理・撤回等に関するトラブルを防ぐためのポイントを解説します。

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Q会社の求めで退職を撤回させたい場合、どのような点に気をつけて交渉すればよいでしょうか。

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強制労働とみなされないよう、「従業員の意思」を尊重することが大事です。

 退職届による辞職の場合、撤回という概念はもともとありませんが、合意退職による退職願での意思表示の場合、撤回できる可能性があります。

 会社の求めで退職の申込みを撤回してもらいたい場合、最も注意することは、強制労働とみなされないようにすることです。

 労働基準法5条は、強制労働の禁止について定めています。

(強制労働の禁止)
第5条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

 この規定に違反すれば、1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金の定めがあります。

 この刑罰内容は労働基準法において最も重いものです。同時に、刑法の暴行罪、脅迫罪、監禁罪の構成要件にも該当する可能性があるとされます。

 このような事態を避けるポイントは「従業員の意思」を充分に尊重することにあります。

 あくまでも対等な立場として労使で退職の意思表示の撤回について話し合いを行い、会社側の事情の理解を求めつつ、労働者の意思を尊重して交渉に臨むようにしましょう。

 1回の話し合いで合意に至らない場合には、解決を急がず、次の機会までできるだけ間隔をあけて、再度話し合うようにします。

※本記事は、月刊「企業実務」(2014年2月号)に掲載した「退職願(届)の受理・撤回等に関する労務問題Q&A」を企業実務オンライン用に再構成したものです。

▼連載「退職願(届)をめぐる労務問題Q&A」
著者 : 橋本 征也<はしもと・まさや>(社会保険労務士) 社会保険労務士AF事務所代表。1976年生まれ、大阪府出身。大阪大学法学部を卒業後、大手生命保険会社に入社。同社を退職後、大手エネルギー会社に水道メーターの検針員として入社。間もなく現場の労務管理職となる。同社が水道部門から撤退するのを機に退職し、社会保険労務士となる。
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