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新人経理担当者のための仕事術 第11回

「会社の金」はカネと思うべからず! 抜かりのない管理が身を守る

[ 村井 直志<むらい・ただし>(公認会計士)]

「経理」という仕事はじつに奥深く、会社の根幹を支える大事なものです。本連載では、「豆を仕切れる人」になるために、これだけはぜひ知っておいてほしい経理担当者のリテラシーについてお伝えしていきます。

新人経理担当者のための仕事術

出納業務は経営管理の基本中のキホン

 現金・預金等のキャッシュは、会社の血液ともいわれます。血液が回らなくなると人は生きていけなくなりますが、キャッシュがなくなれば会社という「法人」は倒産してしまいます。

 それゆえキャッシュの管理は、経営管理の最重要課題といえます。

 キャッシュは、紛失や横領等の不正と隣り合わせの存在でもあります。出納管理をしている経理があらぬ疑いをかけられぬよう、自分の身を守るうえでも、入金と出金、残高の「入・出・残」をしっかり管理してください。

 大量の現金を日常的に扱っている某金融機関担当者は、現金について以前、こんな風に話してくれました。

「現金は、〝単なる物〟として接するよう、心がけることが大事」

 会社の現金に価値を見いだすとリスクが生じます。自らを律するうえで、参考にしたい言葉といえるでしょう。

基本となる証憑は「請求書」と「領収書」

 キャッシュを管理するなかで経理が扱うものに証憑(しょうひょう)があります。証憑とは、取引内容が記載された証拠書類のことです。

 売上や仕入れといった取引の発生にともない、請求書や領収書という証憑が授受されます。取引先から受領した請求書・領収書等を外部証憑、自己が作成し取引先に発行したその控え等を内部証憑といいます。

 申告内容を税務署等がチェックする税務調査や、財務状況が決算書類に適正に表示されているかを監査役や第三者がチェックする会計監査では、請求書・領収書等が取引事実の検証資料として用いられます。

 一般的に、「外部証憑は強く、内部証憑は弱い」という証拠力の差があります。

取引内容が正しく記載されているか、必ず検証しよう!

▼連載「新人経理担当者のための仕事術」

本記事は、『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』(日本実業出版社)より内容を抜粋し、企業実務オンライン用に再構成したものです。

『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』

『即戦力になる!基本が身につく 経理に配属されたら読む本』
村井 直志 著 日本実業出版社 発行 A5判 208頁 定価1,400円(税別)

経理に配属された新人が「即戦力」になるために必要な基本知識を解説

「経理部に配属されたものの、仕事の全体像や実務がよくわからない」という人向けに、会計・税務に関する基本事項のほか、業務をするうえで必要不可欠なエクセルの活用術を解説。
即戦力となる経理担当者に必要なスキルが、この1冊で身につきます。

著者 : 村井 直志<むらい・ただし>(公認会計士) 中央大学商学部会計学科卒。税務事務所、大手監査法人、コンサルファーム、東証上場会社役員などを経て、公認会計士村井直志事務所を開設。ビジネスにまつわる「数字」をわかりやすく伝承するアカウンティング・キュレーターとして、経営コンサルティング・監査・不正調査のほか、セミナー・執筆を行う。
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