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これからの法改正の動き

副業・兼業の労災は本業と合算して給付支給へ

[ 2020年2月号 月刊「企業実務」編集部 ]

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 厚生労働省は、複数就業者が業務上、被災した際の給付額等を見直す案を労働政策審議会に示しました。

(1)複数就業者が被災した場合の問題点

①給付額について

 現行の制度では、複数の事業場で働く労働者が一方の事業場で被災した場合、当該事業場から支給される賃金をもとに労災保険の支給額が算定されていました。

 たとえば、月収25万円のA社と月収10万円のB社の2社から合わせて35万円を得ていても、B社で業務上、被災して働けなくなると、B社の10万円をもとに給付額が算定されていました。

②認定の基礎となる負荷について

 複数の事業場のそれぞれの負荷のみでは業務と疾病等との間に因果関係が認められない場合、保険給付の対象とはなりませんでした。

 たとえば、A社の労働時間が週40時間、B社の労働時間が週20時間の場合、それぞれの会社では長時間労働にはなりませんが、労働者としては実質的に時間外労働時間が月80時間となります(1か月を4週として計算)。

 業務上の負荷を合わせて評価されない点が問題とされていました。

(2)見直しの方向性

①給付額について

 被災労働者の稼得能力や遺族の被扶養利益の喪失の補填を図る観点から、全就業先の賃金を合算したうえで給付額を決定することが妥当とされました。

 その際、非災害発生事業場の事業主は補償責任は負いません。

 また、通勤災害についても同様に、全就業先の賃金を合算したうえで給付額を算定することが妥当とされました。

②認定の基礎となる負荷について

 複数の事業場での労働時間等を合わせたうえで、負荷の評価を行なうこととされました。

 その際、それぞれの事業場で疾病等との間に因果関係が認められない場合は、いずれの就業先も補償責任を負わない、とされました。

(3)法改正へのスケジュール

 厚生労働省としては、早期に意見をとりまとめて労災保険法および徴収法の改正案に盛り込み、今通常国会での提出を目指します。

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