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取引先リスク管理Q&A 第3回(全12回)

Q3 債務者に返済意思がない! どんな回収方法を検討すればいい?

[ 『取引先リスク管理Q&A』 株式会社リスクモンスター(データ工場)]

取引先のリスク管理においては、「取引先の与信調査」から始まって、契約を締結する段階の「債権保全」、その契約やその履行状況を管理する段階の「債権管理」、そして最後に債権を回収する段階の「債権回収」と、各段階の管理がいずれも重要になります。こうした取引先のリスク管理の方法について、Q&A形式でわかりやすく解説します。

債権者に返済意思がない場合の回収方法

Q 債務者に返済意思がない!どんな回収方法を検討すればいい?
A 「返済意思がない」ということは、相手の協力が得られず、自社のアクションだけで回収を図らなければならないということです。

 つまり、回収に時間がかかり、困難になるということです。したがって、できるだけ早く、そしてできるだけ多く回収するための方法を検討し、計画的に実行していくことが重要になります。

解説

「相手の協力が得られない」場合の回収のポイント

  • 回収の優先順位を考え、素早く対応する
  • 自社の優先権を主張できるものから対応する
  • 換金性の高い動産・債権を第一優先として考える

相殺

 相殺は、自社からの一方的な意思表示により行うことができ、また、優先的に債権回収を行うことができます。自社および相手先の双方が同種の債務を負担している場合は、相殺により自社の債務を消滅させることを優先して行う必要があります。

担保権の行使

 担保権を有している場合は、担保権を行使し、回収を図ります。ただし、担保権による回収方法は、担保対象物や担保物権によって異なりますので注意が必要です。

 保証人を徴求している場合には、保証人への催告を行います。保証人は、追及を逃れるために資産を隠蔽することもあるので、早急に保証人の資産状況を調査し、価値がある資産に対しては保証人による隠蔽を防ぐために、裁判所に「仮差押え」または「仮処分」の申請をする必要があります。

強制執行

 回収可能な資産に対して担保権を設定していない場合は、強制的な方法で債権回収を図ります。債務者の資産(不動産、動産、債権など)を保全するためには、仮差押えを実行することが一般的です。強制執行するためには債務名義が必要となりますので、訴訟や少額訴訟、手形訴訟、支払督促、調停、公正証書の作成を通じて債務名義の取得を目指します。

 不動産に対する強制執行は、競売による売却代金から回収することが一般的ですが、賃貸物件においては、その賃料を回収する方法もあります。また、動産に対する強制執行は、債務者の所在地に執行官と出向き、そこにある動産を確保し、競売による売却代金から回収します。債権に対する強制執行は、直接第三債務者から取り立てます。強制執行をするには、いずれも裁判所または執行官に対する申立てが必要になります。

出典:本記事は、『取引先リスク管理Q&A』(リスクモンスター データ工場 著)からの転載です。
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