―― キリシタン遺跡など近畿地方より西だけにあるとお思いの方が多い。ところが徳川家康が江戸に入ってから、荒れ果てた関東地方を開拓・開墾した人々は、取締りの厳しい西国から逃げて来たキリシタンや隠れキリシタンの人が多い。
そこで注意して見ると、キリシタン遺跡も発見できる。
路傍の「お地蔵さん」も「ジーゾーズ(クライストは略)」と称して、合わせた両手の線に横棒を彫り、十字架を表わしているものや十字架を露出させたものまである。
また、「お不動さん」の手にする剣が長い十字架状だったり、「如意輪観音」の手にする杖の中に十字紋が隠されていたり、墓碑の文字に斜線を彫り込み「+」のマークになるように工夫したものもある。
ポイントは、墓石や地蔵の台座に仏式ならあるはずの蓮華の有無である。