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風景を読む“知的”散歩術のススメ 第9回

送電線の鉄塔が立っている場所は「狼煙台」跡が多い

[ 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター)]

ありふれた周囲の光景が実は中世の山城の跡だったりする。平地では郵便局の分布などからも村の規模というものが類推できる。散歩中に、どれだけの数のかつての村を通過することか。

城跡以外で見晴らしのよい場所は、ほとんど狼煙台の跡と考えたほうがよい。ランドマークのように今もマイクロ回線の塔や送電線の鉄塔が立っている。どちらも工事と保守点検のために道路が必要なので、昔から使っている道があった場所を使用しているからだ。

  • 送電線の鉄塔が立っている場所は「狼煙台」跡が多い
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―― ふだん目にしている景色が、じつは中世の歴史を物語っていたりする。たとえば山城は、いまもその跡を日常の風景のなかに見つけることができる。だが、それ以上に多いのが狼煙台だ。城跡以外で見晴らしのよい場所は、ほとんど狼煙台の跡と考えたほうがよい。

 ランドマークのように今もマイクロ回線の塔や送電線の鉄塔が立っている。どちらも工事と保守点検のために道路が必要なので、昔から使っている道があった場所を使用しているからだ。

 平地にも狼煙台がある。山から山へ狼煙を上げて連絡しても、平地の居館から応答する狼煙台も必要だった。

 その跡は塚のようにマウンド状になっていて「鳥見塚」とかの地名が多い。「鳥見」は狼煙の別名「飛ぶ火」の転訛。トミ(富・十三)塚、トンビ(鳶)なども狼煙を意味する「トブヒ(飛ぶ火)」の転訛である。

▼連載「風景を読む“知的”散歩術のススメ」
著者 : 古川愛哲<ふるかわ・あいてつ>(フリーライター) 1949年、神奈川県に生まれる。日本大学芸術学部映画学科で映画理論を専攻。放送作家を経て、『やじうま大百科』(角川文庫)で雑学家に。「万年書生」と称し、東西の歴史や民俗学をはじめとする人文科学から科学技術史まで、幅広い好奇心を持ちながら「人間とは何か」を追求。著書に『「散歩学」のすすめ』(中公新書クラレ)、『江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実』(講談社プラスα新書)などがある。
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